Vol. 3 大学生から見た新野さん

【はじめに】

インタビュー当日。待ち合わせ場所に指定されたのは、新野先輩がマネジメントするアトリエ「CreativeHub 131」。先輩が代表を務め、多様なクリエイター10組が集う拠点。131というのは、このアトリエの準備期間に生じた東日本大震災3.11、そして住所の日本橋大伝馬町13-1に由来しているそうだ。このアトリエ前で待っていると、新野先輩が現れ「東海の子?」と一言。爽やかな笑顔で声をかけて、アトリエの中へ案内してくださいました。

上京したてで、まだまだ東京のことや大人の事情に詳しくない僕。しかしそんな僕の目線から感じたものを、今回文章にしてみました。それでは新野先輩の東海時代や大学生時代を中心に、先輩の辿った足跡に迫りたいと思います。 

 

【東海時代】

東海では、陸上に没頭していた新野先輩。種目は中距離800m。記録も次々に打ち立てました。でも勉強はあまりせず陸上ばかりやっていた自分に、少しだけ後悔していると苦笑い。しかしその表情は、陸上にはまり、それを思う存分やり切った自分に、とても満足しているようにも見えました。また、記念祭でのクラス企画において、昭和のレトロな駄菓子屋づくりを企画し、賞を獲得したこともあるそうです。その頃から、企画・プロデュース力に長けていたのですね。

 

【転機】

上京し大学へ入学。当時はまだまだ世の中に浸透していなかったSDGsやグローバルな環境分野に興味を持ち、農業工学や環境構築、建築について学びます。自分の好きだと思うことに向き合い、とことん取り組む姿勢を貫きました。

しかし先輩は、ひたすら授業を聞いてテストを受けるだけの受動的な授業形態に失望。大学入学3日目にして、ここで学ぶことはもうない!と感じ、デザインの専門学校桑沢デザイン研究所へ通います。ここで先輩はある大切な事を学びました。それは「20代をどれだけ浪費するかどうかで人生が決まる」ということ。

これに衝撃を受けた先輩は、20代にたくさんのことを経験し吸収しようと1年間ロンドンに在住。そこで英国の歴史に触れました。英国は日本と比べて歴史は浅いにも関わらず、自国の誇る伝統を現代に伝える“魅せ方“が素晴らしく、その発信力に感銘を受けたそうです。この英国での経験が、歴史と伝統のある日本橋から日本を世界へ発信していく現在の活動へ繋がっているのだと話してくださいました。

 

「NICA」での企画:落合陽一さんのプレオープン企画

「NICA」での企画:ロンドン芸術大学カレッジ学長クリス・ウェリンライトの個展風景


 

【メッセージ】 

大人になった今、東海の同級生に会うと、「昔から変わらないな」「昔から生意気だったよな」と言われるそうです。

東海時代から、自分の好きだ!やりたい!と思ったことはとことん突き詰めてきた新野先輩。そんな先輩から、最後に僕たち世代の若者へ向けてメッセージを頂きました。 それは「20代を浪費しろ!」ということ。 これを実践したことで、新野先輩は“騙されない”人間になれたそうです。

社会に出ると、自分のプロジェクトを阻む人、自分の成功の邪魔をする人など色々な人と遭遇する。しかし、自分で経験し、自分で判断することを積み重ねていけば、コトの良し悪しを見極める目をしっかりと養うことができ、騙されない人間になれるのだとお話し頂きました。 そして今流行っているものに取り組むのではなく、常に自分が情報の発信源となる。常に主体的に、貪欲に、生意気に、好きなことや興奮するものに突き進んでいくこと。これが最も大切だと。

 

【おわりに】

インタビューが終わり家に帰ると、新野先輩からこんなメッセージが僕宛てに届きました。「学生のうちに全力で好きを見つけて、掘り下げてください」と。さらに「僕は自分の仕事が大好きです」とも。僕も大好きなことを沢山見つけ、そして、新野先輩のように、自分の大好きなことで、沢山の人を幸せにできる大人になりたいと思いました。

この度は貴重なお話をありがとうございました。

【 ライター自己紹介:木村 有我 】

高71回(2019年)卒。外来理系A群。吹奏楽部。

外来生として東海という動物園に入園。個性豊かな友に囲まれ立派な“東海生”となる。

今春上京し東海東京同窓会総会に初参加。東海生は年齢を重ねても“東海生”であることを目の当たりにする。そんな先輩方に憧れ、同窓会事務局員となる。

今回初めてのお仕事としてインタビュー企画に参加させて頂きました。

今後ともよろしくお願い致します。