Vol. 1  森 敬暉 君が近藤先輩に聞く!

【自己紹介】

24歳。文系B群。出版社で働いている。

東海に入っていなければ、良し悪しは別としてオタクになっていませんでしたし、同様に東海に入っていなければ様々な人と会うのが仕事という今の職業には就いていませんでした。

少しでも受けた恩を返し、また私自身も楽しみながら、同窓会の皆さんと何か面白い仕掛けが出来たらなと思っています。まずは、もっともっといろんな先輩にお会いしたいです。

宜しくお願い致します。

 

【記事】

森:なぜ自動車業界を選ばれたのでしょうか?

近藤:今も昔も、どうせ生まれてきたのならば、“世の為人の為”になる事がしたいと思っています。国民のためになる、お役人になりたいと思っていたのですが、いざ就職活動をしたら、希望の省庁に入るには“優”の数が足りませんでした。

そこから民間企業を視野にいれて就職活動を行い、まずは製鉄業を選びました。しかし現実は厳しく、採用されませんでした。

不採用という壁を乗り越え、民間にいくならば、直接“人の為”になるものづくりを行いたいと思いトヨタ自動車を選びました。トヨタを選ぶにも挫折と紆余曲折があったのです。

 

森:役員まで経験されたような方は、勝手ながらスムーズに会社選びが出来たと思っていました。入社してからは辞めたいと思った事はなかったのでしょうか?

近藤:ありましたよ。

あれは、仕入れ先から見積もりをとって発注する購買部配属になった時です。

数社の中から一社選び発注する購買部は他社から恨みを買うような部署で、恨みを持った誰かに刺されて流される為、長続きはしないです。そこで私が係長の時、上司に毎日苛酷な課題を出されました。苛められているかのように毎日11時くらいまで働かされましたよ。それに対してある人は反抗し、部署をとばされました。

私も、女房に会社を変わろうかと思わず相談したほどです。女房自慢になってしまいますが、そんな時女房は、黙って私の話を聞いてくれて…彼女なりに応援してくれたのです。

それからは、上司を見ては“俺よりコイツのが先に死ぬぞ”と思って仕事に励みました。

その結果、上司は部署を移動させられ、私の方が粘り勝ちました。

社内的には長続きのしない購買部に15年間も勤め、最長記録を出してしまいましたよ。

森:トヨタ自動車では取締役になり、日野自動車では社長まで経験されましたが、普段から心がけている事はあったのでしょうか?

近藤:私利私欲なくまじめに全力投球で仕事を行う事です。

思い返してみれば、課長になる時も昇進が遅れましたし、重役になる時にも、一度タイミングを逃しました。

昇進を気にして、当初は人の顔色など気にしていましたが、それを気にせず、会社の為を思って自分の好きなように仕事をするようにしたのです。好きなようにと言っても、当然人の意見は聞きましたよ。

ただ意思決定のベースには、常に会社にとって何が一番良いのかという事を考えていました。

自分の好き勝手やるので、一部の人には「そんな事やっていると重役には出来ないぞ」と言われたりもしましたが、私利私欲なく会社の為に動いていたので、結果重役に選んでもらって社長まで経験する事ができたのではないでしょうか。

 

森:貴重なお話をありがとうございました。